子育て

子どもを「化学物質過敏症」にしないために知っておいてほしいこと

こんにちは、hinaです。

 

私の弟は、油性マジックペンを使うことができません。

「化学物質過敏症」という病気だからです。

学校の授業で模造紙に油性マジックでまとめたときにはめまいと吐き気に苦しみ、しばらくベッドから起き上がることができませんでした。

 

弟はガソリンスタンドで窓があけられません。

制汗剤、香水、柔軟剤などのにおいがする人が近くにいるとすぐに具合が悪くなります。もちろん自分でも使えません。

薬品や化粧品などの臭いがする職場では働けません。

新築の家には住めないし、住んでいるマンションで工事があるたびに引っ越しをしなければいけません。

 

これは一生治りません。

弟は、この先一生、化学物質から逃げながら暮らさなければいけません。

(化学物質を上手に避けて生活すれば、症状は抑えられます)

 

この間も住んでいるマンションで外壁の修繕工事が行われるとのことで、逃げるように引っ越しました。正直、お金も労力もめちゃくちゃかかります。

この病気、あまり聞くことがないかもしれませんが、日本では10人に1人が発症していると言われており、誰でも発症する可能性がありますあなた自身、そして家族、子どもがこの病気で苦しまないために、是非この病気について知っておいて欲しいのです。

化学物質過敏症ってどんな病気?

化学物質に反応してめまいや頭痛などが起こる

冒頭では弟の症状について紹介させていただきました。「化学物質過敏症」の人は、化学物質を飲んだり、食べたり、吸ったり、触ったりすることで、頭痛・めまい・吐き気・粘膜のただれなど、全身にさまざまな不調が起こります。

 

「強い柔軟剤の臭いで頭痛がする」というような話をきいたことがありませんか?あれも、もしかしたら気づいてないだけで、化学物質過敏症の症状の1つかもしれません。

どんな化学物質がダメなの?

彼らが避けなければいけない「化学物質」とは、日常使うような芳香剤や合成洗剤、殺虫剤、防虫剤、食品添加物、農薬などさまざまです。人によってダメなものが違うそうです。そして、呼吸するときに吸い込む化学物質が、症状全体の80%を占めます。

 

食べなければいいものなら避けようがありますが、香水、化粧品、衣料用の合成洗剤、防臭・消臭・芳香剤、タバコの煙、防虫剤・・・化学物質過敏症の人が反応してしまう化学物質は日常生活にあふれています。

 

症状がひどい人は外出もままならず、新品の洋服や靴をはくこともできないそうです。

化学物質過敏症はなぜ誰でも発症する?

今のところメカニズムは分かっていないそうですが、人にはそれぞれ化学物質の許容量があり、その量を超えてしまうと発症すると言われています。ですので、子どもの頃から化学物質に多く触れている人農薬が多いところに住んでいる人などは発症しやすいそうです。

 

日々、化学物質を吸い込んだり触ったりすることで、どんどんコップがいっぱいになってある日あふれ出してしまったときに発症するイメージです。

 

この病気は実は、2009年に病名登録されたばかりの新しい病気です。

今は昔に比べて生活の中に化学物質があふれているので、化学物質過敏症の患者はどんどん増え、認知度もあがってきているところです。(最近では、石原さとみさんの「アンナチュラル」というドラマの中のセリフで「化学物質過敏症」が出てきました)

 

とはいえ、まだ知らない人が多いです。化学物質を避けなければと言うと、「神経質な人」とか、「あ〜今、流行のオーガニック志向?」みたいに軽く捉えられがち。

母の後悔。子どもを化学物質過敏症にしないために。

化学物質過敏症は、子どものころからさらされた化学物質の量がその人の限界を超えると発症します。

 

弟の場合は、小さいころ住んでいたマンションの中庭の木々に、定期的に大量の虫除けの農薬がまかれていたことも良くなかったのだろうとか、色々言われています。高校生のころに住んでいたマンションの大規模改修工事のときに一気に限界を超え、具合が悪く起き上がれない日々が続き、口の中などの粘膜はただれてしまったそうです。

ただ、それまでにも臭いで具合が悪くなることがあったようなので、それ以前に発症していた可能性も大きいといいます。

 

「小さい頃から気をつけてやっていれば」と母はいつも後悔しています。

もし小さいお子さんを育てられている方には、ぜひこの病気のことを知って、できるだけその子が余計な化学物質にふれなくても良いように気をつけてあげてほしいのです。

私が気をつけていること

母は、弟がこの病気にかかってからいつも「あなたも気をつけて。子どもにも気をつけてやって。小さい頃からの積み重ねだよ」と言います。

 

とはいえ化学物質にまったく触れない生活というのは無理ですよね。人のいないところで自給自足みたいな生活をしない限り。でも、「子どもの化学物質の許容のコップにできるだけ化学物質を注がないこと」はできると思うんです。日々の生活のひとつひとつの積み重ねが将来につながっていきます。

市販の無添加洗剤を使う

私は弟が病気にかかる前、第一子が生まれたときは洗濯にア○ックとかト○プみたいな合成洗剤を使っていました。赤ちゃんにはさらさとかアラウとか使った方が良いことは知っていたけど、第一子は肌も強かったのか特にそれで問題なくて、別に良いと思っていました。

 

でも、今は家族全員の洗濯物をまとめてミヨシの液体石けん洗剤で洗っています。柔軟剤なしでふわふわになるので、コストも合成洗剤のときと変わらず。

液体石けん洗剤での簡単な洗濯法はこちらで紹介しています

ズボラな私の石けん洗濯洗剤ライフ!おすすめ液体石けんとその使い方 こんにちは、ひなこ/おうちで働くママライターです。 先日、私の弟の病気「化学物質過敏症」について記事を書きました。 ht...

食器洗い洗剤もジ○イやキュキュ○トなどをやめて、ヤシノミ洗剤やミヨシの無添加食器洗いせっけんを使っています。私の手も荒れないので良いことづくめ♪

掃除のやり方を変えた

カビキラー、トイレマジ○クリン、バスマジ○クリンなどの専用洗剤もやめました。

重曹、クエン酸、オキシクリーン、セスキ炭酸ソーダがあれば色々と洗剤を買う必要ないので、コスト削減にも繋がっているし、うまく使えば汚れ落ちもばっちりです。

 

家選びには気をつける

我が家は賃貸マンション暮らしです。家を選ぶときには、内見で「建材の変な臭いがしないか」など気をつけました。あとは、リフォームしたてだと見た目は綺麗で良いのですが、臭いがきついです。ハウスクリーニングも合成洗剤を使ってあるとすごい臭いがするので、できるだけそういうものを使わないように頼むか、換気をしっかりするなどします。

 

また、外の消毒や殺虫剤なども避けたいなら、街路樹や公園のすぐそばなどは気をつけたり、できるだけ上層階を選ぶ方が良いそうです。

 

さいごに

私は医師でも専門家でも患者でもなく、ただの一患者の家族です。ここに書いたことはあくまで「弟の場合」で、色んな症状の方がいらっしゃると思います。病気の詳細については、化学物質過敏症支援センターHPなどを見て欲しいと思います。

今回は、まずは色んな方に「化学物質過敏症」という病気がある、そして誰でもなり得るということを知って欲しいと思い、この記事を書きました。

 

ずっと体調が悪かった私の弟も、病気が分かって5年たった今ではうまく化学物質を避けて生活できるようになり、元気に暮らしています。

 

いくら親が気をつけていても、出かけた先や学校や幼稚園で化学物質に触れることは避けられません。ですが、「洗剤をかえる」こんな簡単なことで自分の子どものコップにたまる化学物質を少しでも減らせたら?健康を少しでも守ることができるならどうですか?私は迷わずやりたいです。

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